【外国人材ニュース】警備業の特定技能・育成就労を検討|第2回会合の論点と企業の準備
警察庁は、警備業を「特定技能制度」「育成就労制度」の対象とするか、有識者による検討を進めています。第1回会合は2026年9月16日、第2回は10月27日に開催されました。
現段階は、対象追加の是非と受入れ条件を検討している段階です。警備業への導入や受入れ開始が決まったという発表ではありません。
この記事では、警察庁の公表資料をもとに、企業の採用・教育担当者が押さえておきたい点を整理します。警察庁「検討会」、第1回議事次第、第2回議事次第
なぜ警備業で外国人材の受入れを検討するのか
背景にあるのは、人手不足です。2026年9月10日の記者会見で、警察庁長官は、警備員を含む保安職業従事者の有効求人倍率が全職業平均の5倍以上で推移していると説明しました。安全を支える人材を確保するための対応策の一つとして、外国人材の活用を検討しています。国家公安委員会・記者会見要旨
なお、外国人が警備業で働くこと自体が初めて認められる、という話ではありません。警察庁の第1回資料によると、2025年末には外国人7,270人が警備業務に従事しています。今回の検討は、特定技能・育成就労という制度を通じた受入れを対象にしています。第1回警察庁資料・15ページ
第2回会合資料に示された主な論点
2026年10月27日の資料では、次の点などが論点として整理されています。
- 日本語能力:警備業務に必要な水準や、警備に関する日本語を評価する試験をどう考えるか。
- 対象業務:警備業の全類型を対象とするか、雑踏・交通誘導など一部に限定するか。
- 上乗せ基準:警備業法上の欠格事由の確認や、従事できる業務への制限などをどう設けるか。
- 制度の運用:受入れ見込数、育成就労の転籍制限期間、分野別協議会、中長期のキャリア形成をどう考えるか。
資料には他分野の日本語要件も掲載されていますが、それを警備業の確定要件として読むことはできません。第2回警察庁資料・3〜7、14〜16ページ
採用人数だけでなく、教育・管理できるかが重要
第1回の議事要旨では、緊急時の指示理解や無線での意思疎通、法令・生活習慣の理解、受入れ企業の教育・管理体制について意見が出ています。日本語や技能を入国後の研修・OJTで身につける方法や、業界団体による教育も検討課題に挙げられました。
一方で、特定技能で海外から直接受け入れ、直ちに現場へ配置することへの慎重意見もあります。これらは検討会で出された意見であり、そのまま制度要件として決まったものではありません。第1回議事要旨・2〜4ページ
「2027年に開始」「2028年度に開始」とは断定できない
警察庁長官は2026年9月10日の会見で、検討結果を2027年年初に取りまとめてほしいとの考えを示しています。これは検討の取りまとめ時期であり、受入れ開始日ではありません。記者会見要旨
また、第2回資料には、2028年度からの受入れを仮定して見込数を考える記述があります。これも開始時期の決定ではありません。採用計画では、分野追加、対象業務、試験・日本語要件、開始時期の正式な公表を確認する必要があります。第2回警察庁資料・21ページ
企業が今から整理しておきたい3つの準備
制度決定を先取りして募集条件を固める前に、次の点を整理しておくと、今後の検討に役立ちます。
- 不足している業務を具体化する
施設警備、交通誘導など、どの業務・時間帯・現場で何人不足しているかを把握する。 - 仕事で必要な日本語を洗い出す
緊急時の指示、無線連絡、報告など、理解と行動を確認したい場面を整理する。 - 教育を担当できる体制を確認する
指導担当者、訓練時間、理解確認の方法、困ったときの相談先を具体化する。
これらは現時点で決まった新制度上の義務ではなく、企業側の準備としての提案です。人員の確保とあわせて、安全に仕事を覚え、続けられる職場をつくれるかを確認しておきましょう。
外国人採用や受入れ体制に関するご相談は、GRITMANのお問い合わせ窓口へ。
※2026年11月5日(日本時間)に確認した公表資料に基づく記事です。


