【2027年4月開始】製造業の育成就労制度とは?対象76産業・17業務区分と企業が準備すべきこと

外国人材の受入れ制度が、大きな転換期を迎えています。

技能実習制度に代わる新しい制度として創設された「育成就労制度」が、2027年4月1日から開始されます。

経済産業省は2026年6月30日、同省が所管する「工業製品製造業分野」の育成就労制度について、対象となる産業分類、業務区分、受入れ企業に求められる要件などを公表しました。

製造業で外国人材の受入れを検討している企業は、制度開始を待ってから準備するのではなく、今から自社の対象可否、教育体制、賃金制度、受入れスケジュールを確認しておく必要があります。

育成就労制度とは

育成就労制度は、外国人が日本で原則3年間働きながら技能と日本語能力を身につけ、最終的に「特定技能1号」水準の人材へ成長することを目的とした制度です。

従来の技能実習制度が国際貢献や技能移転を制度目的としていたのに対し、育成就労制度では、国内の人手不足分野における人材の育成と確保が明確な目的として位置付けられています。

育成就労を修了した後は、原則として同じ業務区分の特定技能1号へ移行し、引き続き日本で就労するキャリアが想定されています。

制度の基本的な流れ

海外などから人材を受け入れる

日本企業で3年間の育成就労

技能試験・日本語試験に合格

特定技能1号へ移行

さらに特定技能2号や現場リーダーを目指す

つまり、単に3年間働いてもらう制度ではなく、外国人材を企業の将来の戦力として育成する制度です。

製造業の育成就労は2027年4月1日から開始

工業製品製造業分野における育成就労外国人の受入れは、育成就労関係法令が施行される2027年4月1日以降に可能となります。

制度開始直後から受入れを希望する企業に向けては、2027年4月1日より前から育成就労計画の認定申請を受け付ける「施行日前申請」も予定されています。

そのため、2027年になってから準備を始めるのでは遅くなる可能性があります。

2026年中に、少なくとも次の確認を進めておく必要があります。

  • 自社の事業所が対象産業に該当するか
  • 外国人に担当してもらう業務が対象業務に該当するか
  • 監理支援機関との連携方法
  • JAIMへの所属手続
  • 技能と日本語の教育計画
  • 3年間の賃金・昇給計画
  • 特定技能1号への移行計画

対象となる産業分類は76分類

工業製品製造業分野では、育成就労外国人を受け入れられる事業所の日本標準産業分類として、76分類が指定されています。

主な対象業種には、次のようなものがあります。

  • 繊維工業
  • 家具製造業
  • 紙・紙加工品製造業
  • 印刷・同関連業
  • プラスチック製品製造業
  • ゴム製品製造業
  • 生コンクリート製造業
  • コンクリート製品製造業
  • 陶磁器製品製造業
  • 鉄鋼業
  • 鉄素形材製造業
  • 非鉄金属素形材製造業
  • 金属製品製造業
  • はん用機械器具製造業
  • 生産用機械器具製造業
  • 電子部品・デバイス・電子回路製造業
  • 電気機械器具製造業
  • 自動車・同附属品製造業
  • 航空機・同附属品製造業
  • こん包業

ここで注意しなければならないのは、会社全体の業種名だけで判断するのではなく、外国人が実際に働く事業所の産業分類を確認する必要がある点です。

登記簿の目的に「製造業」と記載されているだけでは、対象になるとは限りません。

実際の製品、製造工程、出荷額、事業所の活動内容などから、日本標準産業分類を確認することが重要です。

外国人が従事できる業務は17区分

工業製品製造業分野の育成就労では、外国人が従事できる業務として、次の17区分が設定されています。

  1. 機械金属加工
  2. 電気電子機器組立て
  3. 金属表面処理
  4. 紙器・段ボール箱製造
  5. コンクリート製品製造
  6. RPF製造
  7. 陶磁器製品製造
  8. 印刷・製本
  9. 紡織製品製造
  10. 縫製
  11. 電線・ケーブル製造
  12. プレハブ住宅製品製造
  13. 家具製造
  14. 定形・不定形耐火物製造
  15. 生コンクリート製造
  16. ゴム製品製造
  17. かばん製造

電線・ケーブル、プレハブ住宅製品、家具、耐火物、生コンクリート、ゴム製品、かばん製造の7区分は、2026年1月の閣議決定を受けて追加された業務区分です。

ただし、対象産業に該当していても、外国人に担当させる業務が対象業務区分に該当しなければ、育成就労での受入れはできません。

「事業所の産業分類」と「本人が担当する業務区分」の両方が適合していることが重要です。

製造業で受け入れるための主な条件

1.直接雇用であること

育成就労外国人の雇用形態は、直接雇用に限られます。

育成就労外国人を派遣社員として別の工場へ送り出すことは、原則として認められません。

実際に育成や指導を行う企業が、本人と雇用契約を締結する必要があります。

2.対象となる事業所・業務であること

外国人が働く事業所が指定された産業分類に該当し、担当する業務が17業務区分のいずれかに該当する必要があります。

申請前に、自社の製造工程と業務内容を整理しておくことが重要です。

3.JAIMへの所属が必要

工業製品製造業分野で育成就労外国人を受け入れる場合、すべての受入れ事業所が「育成就労外国人受入事業実施法人」に所属する必要があります。

一般社団法人工業製品製造技能人材機構、通称JAIMは、経済産業大臣から登録を受けた育成就労外国人受入事業実施法人です。

受入れを検討する企業は、制度開始前にJAIMへの所属・入会手続や必要書類を確認しておく必要があります。

4.育成就労計画を作成すること

育成就労では、外国人を単純な労働力として配置するのではなく、3年間で特定技能1号相当の技能を身につけさせる育成計画が必要です。

計画には、主に次の内容を盛り込みます。

  • 3年間で習得させる技能
  • 担当する製造工程
  • 指導担当者
  • 日本語教育の方法
  • 技能試験・日本語試験の受験時期
  • 賃金と昇給計画
  • 特定技能1号への移行方針

5.関係機関の指導や調査に協力すること

受入れ企業は、経済産業省や関係機関が行う報告徴収、資料提出、意見聴取、現地調査などに協力しなければなりません。

形式的に書類を作るだけではなく、計画に沿った教育と雇用管理を実際に行うことが求められます。

日本語能力の基準

工業製品製造業分野では、育成就労開始前から修了時まで、段階的な日本語能力の向上が求められます。

就労開始前

原則として、日本語教育の参照枠でA1相当以上の試験に合格しているか、認定日本語教育機関などで相当する講習を受講している必要があります。

育成就労開始から1年以内

A1相当以上の日本語試験への合格が求められます。

育成就労修了時

特定技能1号への移行を見据え、A2.2相当以上の日本語能力が求められます。

企業側には、外国人本人の努力だけに任せるのではなく、勤務時間や教育機会を考慮した日本語学習支援が必要になります。

本人の希望による転籍も制度化

育成就労制度では、一定の条件を満たした外国人について、本人の希望による勤務先変更、いわゆる転籍が認められます。

製造業分野では、本人意向による転籍に必要な技能水準と、日本語教育の参照枠でA2.1相当以上の日本語能力が設定されています。

また、製造業分野における転籍制限期間は最長2年とされています。

受入れ企業が1年を超える転籍制限期間を設定する場合には、1年目から2年目にかけて、国が公表する基準に沿った昇給を実施する必要があります。

今後は外国人材に「辞められない仕組み」を求めるのではなく、適正な賃金、教育、評価制度、キャリア形成によって、外国人から選ばれる職場を作ることが重要になります。

技能実習から何が変わるのか

育成就労制度では、技能実習制度と比べて、次の点がより明確になります。

人材育成のゴールが明確になる

3年間で特定技能1号水準まで育成することが、制度上の目標になります。

日本語教育が制度に組み込まれる

技能だけでなく、日本語能力についても段階的な目標が設定されます。

本人希望の転籍が可能になる

一定の技能・日本語能力などの条件を満たせば、本人の希望による転籍が可能になります。

企業の育成責任が重くなる

企業には、技能教育、日本語教育、試験受験、昇給、キャリア形成を含めた計画的な人材育成が求められます。

特定技能との連続性が強くなる

育成就労から特定技能1号、さらに特定技能2号へとつながる、長期的なキャリアルートが形成されます。

製造業の企業が今から準備すべき7項目

1.自社事業所の産業分類を確認する

売上の中心となる製品、製造工程、出荷実績などから、日本標準産業分類を確認します。

2.外国人に担当してもらう業務を整理する

単に「工場作業」とするのではなく、機械加工、組立て、溶接、表面処理、検査など、具体的な業務を工程別に整理します。

3.3年間の育成カリキュラムを作る

入社直後、1年目、2年目、3年目に何を習得させるのかを明確にします。

4.日本語教育の仕組みを作る

オンライン授業、社内教育、外部日本語学校、試験対策などを組み合わせます。

5.給与と昇給制度を見直す

日本人従業員との同等報酬だけでなく、技能向上、試験合格、勤続年数に応じた昇給制度を設計します。

6.JAIMへの所属手続を確認する

必要書類や事業所単位での手続方法を、早い段階から確認します。

7.特定技能への移行まで設計する

育成就労の3年間だけではなく、特定技能1号として継続雇用する条件や配置、待遇もあらかじめ検討します。

GRITMANの視点――採用よりも「育成設計」が重要になる

育成就労制度では、外国人を採用すること自体はゴールではありません。

外国人材が3年間で技能と日本語を身につけ、特定技能1号へ移行し、その後も企業の中核人材として活躍できる仕組みを作ることが重要です。

今後、企業の受入れ品質は、次のような部分で比較されるようになります。

  • 賃金と昇給制度
  • 日本語教育の充実度
  • 技能習得の見える化
  • 上司や指導員との関係
  • 生活面の支援
  • 特定技能移行後のキャリア
  • 外国人が将来を描ける職場か

制度上受け入れられる企業であっても、人材が定着する企業になるとは限りません。

育成就労制度への対応は、単なる申請手続ではなく、会社全体の採用、教育、人事評価、定着支援を見直す機会になります。

GRITMANが製造業の外国人材受入れを支援します

GRITMAN株式会社では、製造業における外国人材の採用・受入れについて、次のようなご相談に対応しています。

  • 自社が育成就労の対象になるかの事前確認
  • 日本標準産業分類と業務区分の整理
  • 育成就労から特定技能への移行設計
  • 外国人材の募集・紹介
  • 雇用条件・受入れ体制の整備
  • 日本語教育・定着支援
  • 特定技能外国人の登録支援
  • 行政書士など専門家と連携した在留手続支援
  • 監理支援機関・関係団体との連携

「自社の工場は対象になるのか分からない」

「技能実習から育成就労へ、何を変更すればよいのか」

「2027年4月から受入れを始めたい」

このような企業様は、制度開始直前ではなく、早い段階から準備を進めることをおすすめします。


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GRITMAN株式会社

〒510-0064
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TEL:059-351-2609

外国人材の採用・育成・在留資格・定着支援について、お気軽にご相談ください。


※本記事は2026年7月1日時点で公表されている経済産業省、出入国在留管理庁、JAIMの情報を基に作成しています。制度の詳細や申請方法は今後変更・追加される可能性があるため、実際の受入れに際しては最新の公式情報をご確認ください。

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