育成就労制度2027年4月に起こる大変革
10年に一度の大変革が迫っています

施行時期と準備状況
- 育成就労制度は、2024年6月に公布された「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)に基づき、公布から3年以内に施行されることになっています。
- 現時点(2025年8月)では具体的な施行日は未定ですが、2027年4月1日が有力な施行開始日として調整が進められていると報じられています。
- 2025年3月には制度の運用基本方針が決定され、夏には運用の詳細に関する省令(施行規則)が公布される見込みです。さらに年末までには、受け入れ分野ごとの運用方針が決定される予定で、2027年のスタートに向けて準備が急ピッチで進められています。
- 国土交通省では、2027年4月に開始する育成就労制度の運用を見据え、建設分野の外国人材受け入れに関する検討会議が進められています。
制度の概要と変更点
- 育成就労制度は、技能実習制度に代わる新たな外国人材受け入れ制度として創設されました。従来の「国際貢献」という目的から、「人材の確保・育成」に重点が置かれます。
- 転籍(転職)が一定の条件のもとで可能になる点が大きな変更点です。これにより、外国人のキャリアアップの機会が広がる一方で、受け入れ企業にとっては人材流出のリスクが増える可能性があります。
- 受け入れ分野は、人手不足が深刻な**特定産業分野(介護、外食、建設、宿泊、農業、製造など、特定技能1号で設定されている16分野が中心)**に限定されます。現行の技能実習制度の90職種と比較すると、受け入れ可能な職種は減少する見込みです。
- 外国人材に段階的な日本語能力の向上が求められるようになります。就労前、1年目終了時点、3年目終了時点での日本語能力試験N5、N4などの合格が目安とされています。
- これまで外国人材が負担していた渡航関連費用や送り出し機関への手数料などの費用の多くを、受け入れ企業が負担することになります。これにより、外国人材の初期負担が軽減される一方で、企業側のコスト増が懸念されています。
現在の課題と懸念点
- 企業の費用負担の増加: 渡航費、送り出し機関への手数料、日本語教育費など、企業が新たに負担する費用が増えることで、1人あたり年間50~100万円のコスト増加が見込まれています。
- 人材流出リスクの増大: 転籍の条件緩和により、企業が育成した人材がより良い条件を求めて他社へ転職する可能性があり、特に地方の中小企業や給与水準が低い企業にとっては深刻な課題となります。
- 日本語教育支援の負担: 外国人の日本語能力向上が求められるため、企業側は教育支援の体制を整備する必要があります。
- 対象職種の限定: 特定産業分野への限定により、これまでの技能実習制度で受け入れていた職種の一部が対象外となる可能性があります。
- 悪質な送出機関の問題: 引き続き、悪質な送出機関による高額な手数料請求の問題が懸念されており、企業は送出機関の選定に注意が必要です。
これらの課題に対し、政府や関連団体は省令やガイドラインの策定、助成金や補助金による支援策などを検討しています。
育成就労制度は、技能実習制度に代わる新しい制度であるため、現時点では「育成就労制度」に特化した直接的な補助金や助成金はまだ具体的に発表されていないようです。しかし、外国人を雇用する際に活用できる既存の助成金や、関連する人材育成のための助成金はいくつかあります。
現在活用が想定される主な助成金・補助金は以下の通りです。
- 人材開発支援助成金(厚生労働省)
- 事業主が雇用する労働者(外国人材を含む)に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
- 特に、人材育成コースや特定訓練コースなどが該当する可能性があります。
- 「生産性要件」を満たすことで助成率が上がることがあります。
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)(厚生労働省)
- 外国人労働者が日本で働きやすい環境を整備し、職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。
- 具体的には、雇用労務責任者の選任、就業規則等の多言語化、苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度の整備、社内マニュアル・標識類等の多言語化といった措置が対象となります。
- キャリアアップ助成金(人材育成コースなど)(厚生労働省)
- 非正規雇用の労働者(外国人材を含む)のキャリアアップを促進するための取り組みを行った事業主に対して助成されます。人材育成コースでは、職業訓練を実施した場合に助成対象となることがあります。
- 各自治体の支援事業
- 東京都では「外国人技能実習制度に基づく外国人介護実習生の受入れ支援事業」(現在は技能実習生向けですが、将来的に育成就労制度にも関連する可能性があります)として、日本語学習や専門知識の学習にかかる経費を補助する事業があります。
- 茨城県でも、日本語講習会や地域社会との交流会への補助を行っています。
- 育成就労制度の導入に伴い、今後、各自治体でも外国人材の受け入れを支援する独自の補助金や助成金が拡充される可能性があります。
今後の見通しと留意点
- 育成就労制度では、受け入れ企業が外国人材の渡航費用や日本語教育費などの一部を負担することになるため、政府や自治体は、企業側の費用負担を軽減するための助成金や補助金の活用を促していくと考えられます。
- 育成就労制度の施行に向けて、関連する省令やガイドラインが具体化される中で、より詳細な支援策が発表される可能性があります。
- 助成金・補助金は、それぞれ受給要件や支給額、申請手続きが異なりますので、ご利用の際は、厚生労働省のウェブサイトや各自治体の窓口、または社会保険労務士などの専門家にご相談いただくことをお勧めします。
最新の情報については、厚生労働省や出入国在留管理庁、JITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)などの公式ウェブサイトをご確認ください。

